1.問い合わせや内見希望者が現れない
原因として考えられるのは、売り出し価格が高すぎることを意味していますが、それだけではありません。
- 不動産市況や不動産会社の思惑、売主の期待感がふくらみ、相場から乖離してしまっている
- 広告宣伝活動が適切でない。魅力的な広告、不動産価値を訴求する広告になっていない
- 同じマンションで坪単価がより安い物件が販売された
相場より高いからと言って、売れない訳ではありません。購入者が納得する付加価値を提示できれば売れます。これが出来ていないと単に高い、で終わってしまいます。
・付加価値を作り出せているか?
・その付加価値を前面に表現出来ているか?
が大事になります。 相場とは、周辺の売り出し価格の平均(価格帯)を言っていることが多いので、物件個々が持っている価値は表現されません。それを広告に適切に表現出来ているか?、が大事なポイントになってきます。
1−1.付加価値を作り出していない
購入者のほとんどがインターネットを使って購入物件候補を絞り込みます。インターネット検索の絞り込み条件は、間取り(広さ)、価格、駅からの距離がほとんどだと思います。絞り込まれた時点で、「この物件は見てみる価値がある」と思わせることが大事です。
わたしが家を売却したときのケースですが、不動産会社が作成した販売用のチラシやネット広告用のHPをみたのですが、愕然としました。
・マンションの概要程度の情報しか掲載されれいなかった。
・最寄り駅はわざわざ都心から遠い駅を表示していた。
・内装をリフォームしたが、2LDKを1LDKにしたことしか記載がなく、WICを2つにしたこと、書斎を併設したことの記載がなかった
・同じマンションのなかでも場所や階数による特徴があるのに記載がなかった
という状況でした。不動産会社ってこんな程度です。これではまずいと考え、わたしの方で広告に表現する文章を考え掲載してもらいました。広告という特性上事実に基づかないと誇大広告となってしまうのですが、修正した内容は特に問題がなく、全て反映してもらいました。
さらに物件の魅力いを引き出したいのなら、単なる室内の写真ではなく、購入者目線・生活者目線で室内や外観の写真を使うのも内覧につながります。あるいは、 ホームステージングを使って、魅力的な画像を撮影し、インターネットで検索するときの差別化に使ってはいかがでしょう。ホームステージングにより「この物件を観てみたい」と思ってもらうことが大事です。 このように売り出し価格に相応わし価値を提示できれば、購入希望者は現れます。しかし、それがないと単に高いとだけに終わり、購入希望者は集まりませんので、もう一度振り返ってみてください。
1−2.付加価値が表現出来ていない
査定依頼した際に、物件に対しての価値を正しく認識しているか不動産会社に確かめましたか? 売り出す前に、物件の価値について立地、環境、物件(共有部、専有部)についての良さを議論し、売り出し価格を決めましたか?
これが営業担当者と共有・共感していれば、自然と購入希望者との対応で、物件の説明のときに、熱意や対応姿勢が全くことなります。”お客様、この物件はこのあたりでは中々出ない貴重な物件ですよ。購入する価値は絶対にあります”と言えるようになるかにかかっています。
1−3.同じマンションでより坪単価が安い物件が売りにだされた
マンションでは各フロアの同じ場所に同じ間取りが配置されているケースがあります。10階のマンションで5000万円で販売したが、ある日、20階の同じ間取りの物件が4700万円で販売開始したようなケースです。20階の売却しゃも安く売り出す理由があるとおもうのですが、これはこまったものですよね。
これがどのように影響するのかですが、当然、20階の物件が売却されるまで、申し込みが入らない。また、安い販売実績が出ると、平均的な相場に影響を与えてしまいます。
このような場合に、次の手をとることができます。
(1)売り出し価格を4700万円以下に落とす。
この場合、300万円の値引きになるため、広告では新価格として扱われますので、物件を探している方々の目にとまりやすくなりますので、比較的早く申し込みが入ります。しかし、もう少し価格売れる可能性があるのに尺に触りますね。
(2)20階の物件が売却されるまで待つ
この場合、同じマンションで物件を探している方に対しては、競合する物件がなくなるので、仲介不動産も紹介しやすくなります。その際に、相場より安く売却した20階の事例については、売却者の意向で早く売却したかったので相場より安く売り出した。しかし、資産価値からみて、本来の相場は、この5000万円です、ときっちり説明してもらうことが肝心です。
とはいえ、内覧希望者がなければ、仲介不動産会社も説明する機会がないので、100万円の値引きとセットで行い、新価格としての募集により物件を探している方の目にとまり、内覧希望者を増やし、申し込みにつなげる。
2.内見希望者がいるが、条件交渉にはつながらない
内見希望者はいるのに、条件交渉につながらないのは、内見対応ばかり多くなり大変です。次の点について分析してください。早く解放され、プライベートな時間を過ごしたいですね。
2−1.単に現物だけを見せていませんか?
購入者は現物をみても、購入後の生活をイメージできる人は少ないのが現状です。ほとんどの方は「ふーん」「へえー」で終わって購入意欲が湧きません。 居住中ともなれば尚更です。生活者のプライベート空間に染まっている部屋を見る事になるので、他人の生活空間に侵入しているという感覚になり、空き状態より更に、「ふーん」「へえー」で終わり、「ここに住んでみたい」という購入意欲が湧いてきません。 これでは、中々条件交渉に進みませんよね。
こんなとき、購入者の視点にたった演出やインテリアコーディネートをするホームステージングを施すと良いでしょう。 平均売却期間が156日が42日に短縮したという実績や、ホームステージングにかけた費用の平均3倍を回収できたという報告がされていますので利用する価値は高いです。早く、高く売りたいなら是非使ってみてください。
2−2.購入希望者から物件についての評価を聞き出せていますか?
契約している不動産の営業担当者から、「内見者から今回はやめます。と連絡がきました」。「はい、わかりました」で終わっていませんか?
売買の場合、傷などの小さな点は問題にはなりません。不動産自体が購入者の希望に合うかどうかです。売買の場合、ある程度のクリーニングやリフォームが前提で物件を探しますが、その範囲が予想を超えると対象から外れてしまいます。
例えば、物件の間取りの問題です。売主の趣味でかなり変更してしまっている場合や和室が購入者の希望に合わない場合は工夫が必要になります。物件の地域性や広さから購入者のニーズにあった提案が必要になります。10数年前までは和室が必ず1つはありましたが、今では和室は必要ないという家族も多くなりました。その場合、売主から間取りの変更プランを作成し購入者に提案し、そのリフォーム代金を売り出し金額から減額するなどの条件交渉をするくらい努力が必要です。当然、リフォームによる減額が売主の売却金額の範囲に収まればの話になります。みすみす内見者を逃すことがないような工夫が必要です。
3.不動産会社、営業担当者の選択が間違っていなかったか
媒介契約以降、営業としてのマネジメントサイクル(P:プラン、D:実施、C:チェック、A:対策)が回っているかを売主として客観的に判断してください。 不動産会社としては信頼できつつも、必ずしも担当者に能力や経験があるとは限りません。PDCAのマネジメントサイクルが回っていなければ、上司に具体的な事象を説明し、担当者を替えてもらうことも必要です。経験もない営業担当者に販売してもらっても売却にはつながりません。最低でも宅地建物取引士の免許を持っているかの確認も必要です。PDCAもまわさず、安易に売り出し価格を下げて、早く売りさばこうとする担当者なら、物件価値を損なうだけですので即担当者を切り替えです。 それでもだめなら、仲介会社を変えましょう。 媒介契約は3ヶ月ですし、自動継続ではありません。売主から契約更新を申し出ないかぎりは終了します。そのタイミングで別の不動産会社に切り替えることも大事になります。実力や経験の少ない会社との契約を続けても無駄な時間をかけるだけで、何の価値も生み出しません。
(参考)良い営業担当者の見極め方
(参考)信頼できる不動産仲介会社の見極め方
4.まとめ
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